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男性育休でボーナスは減る?産後パパ育休21日で賞与の約12%が引かれた実額を人事9年目が公開

男性育休でボーナスは減ります。ただし原因は人事評価ではなく、賞与の算定期間に育休が入ることによる日割り控除です。産後パパ育休を21日取得した人事企画9年目の会社員が、実際に引かれた額(賞与額の約12%=21日÷182日)、賞与の社会保険料が免除されなかった理由、自社の規程のどこを見れば家計への影響を試算できるかまで、実体験で解説します。

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「男性育休を取ると、ボーナスは減るんだろうか」

会社に育休の意向を伝える前に、ここが気になって手が止まる方は多いと思います。私もそうでした。

私は人事企画9年目の会社員で、2025年に第1子が生まれ、産後パパ育休(出生時育児休業)を21日間取得しました。賞与の計算を処理する側にいながら、自分が控除される側にも回った立場です。

結論からお伝えします。ボーナスは減りました。私の場合、冬の賞与から約12%が引かれています。ただし原因は人事評価ではなく、賞与の算定期間に育休が入ったことによる日割りの控除でした。この2つは混同されがちですが、まったく別の話です。

この記事で分かることは4つです。

  • 育児休業給付金が補ってくれるのは月給だけで、賞与は対象外だということ
  • 私の賞与から実際に引かれた額と、その計算式
  • 賞与の社会保険料が免除されなかった理由(21日では条件を満たしません)
  • 自社の規程のどこを見れば、自分の家計への影響を先に試算できるか

まず認識合わせ:給付金が補うのは「月給」だけ

ここを取り違えると、あとの話が全部ずれます。最初に整理させてください。

育休中にお金が動く場所は、大きく分けて月給賞与の2つです。給付金が面倒を見てくれるのは、このうち月給だけです。

お金の種類育休を取るとどうなるか給付金で補われるか
月給(基本給・諸手当)休んだ日数分が欠勤控除される補われる(給付金の計算のもとが月給)
賞与(ボーナス)算定期間に育休が入ると、その日数分が控除される補われない

給付金の額を決める「休業開始時賃金日額」は、育休開始前6か月間の総支給額を180で割った額で計算されます。そしてこの総支給額から、賞与は除かれます(厚生労働省)。

つまり制度の設計として、賞与ははじめから給付金の外にあります。賞与が減った分を埋める仕組みは、どこにも用意されていません

「手取り10割」という言葉を目にしたことがある方もいると思います。2025年4月に始まった出生後休業支援給付を合わせると、給付は額面の80%になります。そこに社会保険料の免除と非課税が重なり、手取りベースで実質10割相当になる、という話です。この「10割」は月給についての話で、賞与は含まれていません。


私の実例:冬の賞与から約12%が引かれた

我が家の前提を先に開示します。

項目内容
取得した制度産後パパ育休(出生時育児休業)
取得期間2025年7月中旬〜8月上旬の21日間
賞与の支給年2回(7月支給・12月支給)
賞与の算定期間半年ごと(182日

結果はこうなりました。

  • 7月支給の賞与=満額。算定期間が前年度後半で、育休の期間と重なっていなかったためです
  • 12月支給の賞与=約12%の控除。算定期間(当年度前半)に育休21日が丸ごと入りました

計算式は単純でした。

控除の割合 = 育休を取った日数 ÷ 賞与の算定期間の日数 私の場合:21日 ÷ 182日 = 約11.5%(約12%)

賞与そのものを査定で下げられたのではなく、働かなかった日数の分だけ機械的に引かれたという形です。

自分の場合をざっくり試算する

算定期間が半年(182日)の会社であれば、目安はこうなります。

育休の日数賞与から引かれる割合の目安
5日約3%
14日約8%
21日約12%
28日約15%
60日約33%

ただしこの計算方法は会社によって違います。日割りではなく出勤率で一定額を引く会社もあれば、そもそも算定期間の区切り方が違う会社もあります。あくまで「私の会社ではこうだった」という一例として見てください。自社での確かめ方は後半に書きます。


賞与の社会保険料は免除されなかった

ここが、調べても答えが出てこなかった部分です。結論を書きます。

私の21日間の育休では、賞与にかかる社会保険料は免除されませんでした。通常どおり引かれています。

理由は要件にあります。令和4年10月以降に始めた育休では、賞与の保険料に条件が付きました。日本年金機構によれば、免除されるのは「賞与を支払った月の末日を含んだ、連続した1か月を超える育児休業等」を取得した場合だけです。1か月を超えるかどうかは暦日で判断され、土日などの休日も期間に含めて数えます

21日間では、この「1か月を超える」に届きません。

月給のほうは事情が違います。こちらはその月の末日を含む育休、または同じ月の中で14日以上の育休のどちらかを満たせば、その月の保険料が免除されます。私は月末をまたぐ設計にしていたので、月給からの社会保険料は免除されました。

対象免除される条件21日取得の私
月給からの社会保険料その月の末日を含む育休、または同月内に14日以上免除された
賞与からの社会保険料賞与を支払った月の末日を含む、連続した1か月を超える育休免除されなかった

「育休を取れば社会保険料は免除される」と一括りに覚えていると、賞与のところで想定が狂います。賞与の免除まで狙うなら、育休を1か月超に設計し、しかも賞与支給月の末日を含める必要があります。


「ボーナスが減る」の正体は3つある

読者の方が不安に感じている「減る」は、実は別々の3つが混ざっています。分けて考えると、対処できるものと、できないものがはっきりします。

減る要因中身コントロールできるか
① 算定期間の日割り控除休んだ日数分が機械的に引かれるできない。ただし事前に計算できる
② 人事評価査定そのものが動く会社と上司による
③ 社会保険料賞与分が免除されるかどうか育休の長さと時期の設計しだい

①と③はここまでに書いたとおりです。②について、正直に書きます。

人事評価はどうだったか

私の会社の規程では、育休の取得を理由に評価を下げることはできません。育児・介護休業法でも、育休の取得を理由とする不利益な取扱いは禁じられています。実際、そうした説明を受けたこともありません。

ただ、その期の評価は、普段より少し低くなりました。示された理由は「育児休業を考慮しても、業務上の量が期待に届かなかった」というものです。育休で休んだ期間だけでなく、復帰後に時間外労働をしなかったことも影響していると私は受け止めています。

これは私1人の事例で、会社や上司によって変わります。それでも「取得を理由とした不利益は禁止されていても、業務をこなした量そのものが減れば評価に反映されうる」という現実は、先に知っておいたほうが心の準備ができます。私は不当だとは考えていません。


自社ではどこを見ればいいか(人事の答え)

正確な金額を知りたいなら、人事部か総務部に直接聞くのがいちばん早いです。これは人事の側にいる立場から言っても変わりません。

とはいえ「育休を取るか迷っている段階で人事に聞きたくない」という気持ちも分かります。その場合は、賞与の計算方法が書かれた規程を自分で読むことをおすすめします。

見るべきは、欠勤があったときに賞与がどう減るのかという部分です。育児休業も、賞与の計算上は欠勤の一種として扱われることが多いためです。ここが読めれば、自分の家計にどれくらいの影響が出るかを、聞く前に推測できます。

規程を読むときのポイントは3つです。

  • 算定期間はいつからいつまでか(この日数が計算の分母になります)
  • 欠勤があったときの減額方法(日割りか、出勤率による段階的な減額か)
  • 出勤率の要件があるか(一定の出勤率を下回ると支給されない規程もあります)

賞与の支給日を避ければ減らないのか

これはよくある誤解です。賞与の支給日の直後に育休を取れば減らない、とは限りません

関係するのは支給日ではなく、算定期間だからです。支給日の翌週に育休を取っても、その日が次の賞与の算定期間に入っていれば、次の賞与で控除されます。

私の場合も、7月支給の賞与は満額でした。しかしそれは「7月に取ったから逃げ切れた」のではなく、7月支給分の算定期間が前年度後半で、育休と重ならなかっただけです。同じ育休が、12月支給分では控除の対象になりました。

タイミングを調整して控除そのものを消すことは、基本的にできません。できるのは「いつの賞与で、どれくらい引かれるのか」を先に把握して、家計の見通しに織り込むことです。


意外な救い:有給休暇の出勤率では「出勤扱い」

賞与では欠勤として扱われる育休期間ですが、すべての場面で欠勤になるわけではありません。

年次有給休暇を付与するための出勤率の計算では、育児休業の期間は「出勤したもの」とみなされます(労働基準法第39条)。

私の場合も、育休中は当然ながら出勤していませんが、翌年度の有給休暇は通常どおり付与されました

同じ「休んだ期間」でも、賞与の計算では欠勤、有給の出勤率では出勤と、扱いが分かれます。ここを知らないと「育休を取ったら有給まで減るのでは」と心配することになりますが、その心配は要りません。


家計はどう備えるか(我が家の考え方)

最後に、お金の面の備え方です。我が家がやったことは3つでした。

  1. 賞与を家計の前提に入れない。住宅ローンのボーナス払いなども設定していません
  2. 下がる幅を大きめに見積もっておく。実際の控除が想定より軽ければ、それで構いません
  3. 事前に貯めるか、固定費を見直して余裕を作る。そして家族にも金額を共有しておく

特に3つ目は、育休に入る前に手をつけておく価値があります。収入が一時的に下がる時期に、毎月出ていく額を先に減らしておくと、気持ちの持ちようが変わります。我が家は通信費から見直しました。

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そのうえで、我が家がどう判断したかも書いておきます。

賞与が減る以上、その年の収入はこれまでより下がります。それでも私は取りました。子どもが赤ちゃんでいる時間は一瞬で、しかも最も手のかかる時期だからです。ここを家族みんなで支え合えたことのほうが、賞与の12%より大きかったというのが、取り終えた今の実感です。


まとめ:減るのは避けられない。ただし先に計算できる

  • 育児休業給付金が補うのは月給だけ賞与は給付の対象外で、減った分を埋める仕組みはない
  • 私は産後パパ育休を21日取得し、冬の賞与から約12%(21日÷182日)が控除された
  • 賞与の社会保険料は免除されなかった。免除には「賞与支給月の末日を含む、連続した1か月超」の育休が必要
  • 「減る」の正体は①日割り控除 ②人事評価 ③社会保険料の3つ。分けて考える
  • 支給日をずらしても控除は消えない。関係するのは算定期間
  • 年次有給休暇の出勤率では、育休期間は出勤扱い(労働基準法第39条)
  • 家計は大きめに見積もり、固定費を先に軽くし、家族と共有しておく

金額が分かってしまえば、あとは準備の問題です。「いくら減るか分からない」という状態がいちばん不安なので、この記事がその不安を数字に変える助けになればうれしいです。


注:本記事は2026年8月時点の制度と、筆者の実体験に基づきます。賞与の計算方法は会社の規程によって異なりますので、正確な金額はお勤め先の人事・総務部門にご確認ください。 公式情報はこちら:日本年金機構 育児休業期間中の保険料免除日本年金機構 育児休業等の期間が1カ月を超えない場合の賞与保険料厚生労働省 出生後休業支援給付厚生労働省 労働基準法第39条(年次有給休暇)について


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30代会社員・人事企画部門・JGCホルダー。従業員持株会を入社9年目に停止し、インデックス投資(新NISA・iDeCo)に全面移行。 マイルで乳幼児連れリゾート旅行を実践中。数字とリアルにこだわった発信を心がけています。

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