男性育休の取り方完全ガイド|申請時期・業務引き継ぎ・期間の決め方を21日取得した人事9年目が公開
男性育休をこれから取得したい会社員へ。妊娠中の申請時期、上司への伝え方、業務引き継ぎ、書類提出、期間の決め方、社会保険料免除のテクニック、夫婦の事前準備まで、出生時育児休業21日を取得した人事企画9年目が実体験で全公開します。
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「これから男性育休を取得したい。でも、具体的な準備はどう進めればいい?」
男性育休の制度概要や給付金の額は調べやすい一方で、「いつ上司に伝える?」「業務引き継ぎは?」「夫婦でどう調整する?」といった実務的な準備の情報は意外と少ない、と感じる方は多いはずです。
私は2025年7月中旬〜8月上旬に出生時育児休業(産後パパ育休)を21日取得し、その後も人事企画9年目として、複数の社員の育休申請を処理側で対応してきました。さらに、自社のマッチング拠出制度の導入設計や、新入社員向け投資教育の講師なども担当しています。
この記事では「これから取得を検討する読者」向けに、
- 育休取得を決めるタイミング(妊娠何ヶ月頃?)
- 上司への伝え方と業務引き継ぎの実践
- 書類提出の流れと提出期限
- 取得タイミングと期間の決め方(私の21日の実例)
- 社会保険料免除を活用する月末テクニック
- 夫婦の事前準備(家族ミーティングシートの活用)
- 人事9年目からの取得を勧める一言
を、当事者経験+人事の処理経験の両視点で解説します。
育休取得を決めるタイミング:妊娠8ヶ月頃が目安
私の場合:妊娠8ヶ月で取得を計画
私が取得を決めたのは妊娠8ヶ月頃でした。
理由はシンプルで、出生時育児休業(産後パパ育休)は出産予定日から2ヶ月以内に取得する制度であり、出産予定日の2ヶ月前くらいから具体的に動き始めるのが自然な流れだったからです。
当初の計画:
- 出産予定日:2025年7月
- 育休取得時期:お盆明け(8月中旬〜9月上旬)の3週間程度
- 上司への相談開始:妊娠8ヶ月頃(出産予定日の2ヶ月前)
妊娠初期から漠然と意識しておく価値
「妊娠8ヶ月で初めて考え始めた」というよりは、妊娠初期から「育休を取る方向で動こう」と漠然と意識していました。これは大事です。具体的な調整は2ヶ月前からで十分ですが、「取得する/しない」の判断軸は早めに固まっている方が、職場での会話もスムーズです。
育休制度の概要や給付金については別記事もご覧ください:【実額26万円】男性育休21日で手取り約10割は本当か?2025年改正後に人事部員9年目が取得した実体験と3つの盲点
上司への伝え方:「業務上の上司→組織上の上司」の順番
私の場合:出産予定日の2ヶ月前に面談で伝えた
私が育休取得を上司に伝えたのは出産予定日の2ヶ月前。タイミングは、簡単な業務上の進捗報告などを兼ねた面談の前後を使いました。
「業務上の上司」と「組織上の上司」の使い分け
大企業ほど多いケースですが、「業務上の上司」と「組織上の上司」が別人の場合があります。私の会社もこのケースで、それぞれに対する伝え方を分けました。
| 上司の種類 | 伝えた順番 | 伝えた内容 |
|---|---|---|
| 業務上の上司 | 1番目 | 取得時期・期間・業務調整の相談 |
| 組織上の上司 | 2番目(業務調整の見込みが立った後) | 育休取得の正式報告 |
業務上の上司に先に相談する理由は、「業務調整の見込み」が立ってから組織上の上司に正式報告する方が、組織上の上司も判断しやすいからです。逆順だと「業務がどうなるか分からない段階での報告」になり、上司に余計な心配をさせてしまいます。
上司からもらった忘れられない一言
業務上の上司に育休取得を伝えた時、上司からこう言ってもらえました。
「仕事は代わりがいるけれど、父親の代わりはいない」
この一言は、取得を躊躇していた自分の背中を大きく押してくれました。同じように悩んでいる方がいたら、ぜひ伝えたい言葉です。
伝え方の工夫:面談に組み込む
私は「育休のためだけの面談」を別途設定するのではなく、すでに予定されている業務上の進捗報告面談の前後で話を切り出しました。
理由は2つ:
- 上司の心理的負担を減らす(「育休の話だけのためにわざわざ時間取られた」と感じさせない)
- 業務文脈と地続きで話せる(取得時期と業務上の繁忙期の調整が自然にできる)
業務引き継ぎの実践:資料+3〜4回の対面説明
引き継ぎの相手
私の場合の引き継ぎ相手:
- 業務上の上司(戦略判断が必要な業務)
- 同僚(日々のオペレーション業務)
引き継ぎ資料の3要素
引き継ぎ資料に必ず含めた3要素:
- 自分が担当しているタスクのリスト
- 各タスクの対応時期(月初・月末/社内関係部署から連絡を受けた場合など、トリガーベース)
- これまでの資料の保管場所(共有フォルダのパス、関係者のメール宛先など)
「自分がいなくても、資料を見れば誰が何をすべきか分かる」状態を作るのがゴールです。
引き継ぎ説明会:3〜4回×1時間
資料を作っただけでは引き継ぎは不十分。私は引き継ぎ相手と一緒に資料を見ながら内容を説明する時間を3〜4回(1回あたり1時間)設けました。
複数回に分けた理由は、
- 1回で全部説明しても引き継ぎ相手が消化できない
- 業務の優先度別に順序立てて説明できる
- 質問が後から出てきても、次の回で回答できる
引き継ぎは「やりっぱなしの送信」ではなく「対話で確認する」のがコツです。
書類提出の流れと提出期限
出生時育児休業の書類提出ルール
出生時育児休業(産後パパ育休)の書類提出ルール:
- 提出期限:育休開始の2週間前まで
- 提出先:勤務先の人事部門の勤怠系担当者
- 必要書類:「育児休業申出書」(会社所定の様式の場合あり)
私の場合:ギリギリ提出になった理由
私の場合、出産予定日と実際の出産日にズレがあり、それに伴って育休取得時期も「お盆明け→お盆前へ前倒し」に変更しました。結果、書類提出はギリギリのタイミングに。
ただ、これは「他の方には推奨しない流れ」です。私が出産日のズレを言い訳にギリギリにしてしまったのが反省点でした。
他の方へのおすすめタイミング
書類提出は、出産後、妻の体調回復・役所への名前届・児童手当の申請が終わり、一息つくタイミングで準備するのが現実的です。
具体的には:
- 出産(産後すぐ)
- 出生届・児童手当の申請(産後14日以内)
- 妻の退院・体調回復(産後1〜2週間)
- 一息ついた段階で育休申出書を準備(産後2〜3週間後)
出生時育児休業は出産後8週以内に取得する制度なので、産後3〜4週間頃から育休開始する設計なら、書類提出も間に合います。
取得タイミングの決め方:妻の実家から戻るタイミング
私の場合:出産後数週間ずらして取得
私は出産直後ではなく、数週間ずらして育休を開始しました。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 妻の出産(7月) | 自然分娩で4日入院 |
| 退院前 | 行政が補助する産後ケア(宿泊3日)を利用 |
| 退院後〜1ヶ月 | 妻は実家で過ごし体力回復 |
| 1ヶ月後 | 妻が実家から自宅に戻る → 私の育休開始 |
なぜ実家から戻るタイミングに合わせたか
理由は3つ:
- 出産直後は妻が実家で体力回復しており、夫が育休を取っても役割が薄い
- 妻が自宅に戻ってきた段階で、夫婦2人で育児に向き合う体制が必要
- 夜間の授乳負担を分担できる(生後数ヶ月は授乳で睡眠が細切れになるため)
特に3つ目は実感として大きく、夜中でも粉ミルクなら夫側であげられたため、妻と交替制で対応できました。
妻との相談で決めるのが必須
取得タイミングは、夫の都合だけで決められません。妻と相談して、家族としてどの時期が一番必要かを一緒に判断するのが必須です。
「育休を取る=産後すぐ」というイメージが強いですが、必ずしも産後すぐが最適とは限りません。家族の状況(妻の実家との距離、産後ケアの利用有無など)に合わせて柔軟に設計しましょう。
期間の決め方:21日に決めた理由
出生時育児休業の最大期間は28日
出生時育児休業(産後パパ育休)は最大28日取得できます。私はそのうち21日を取得しました。
21日にした2つの理由
- 給付金の最大化(出生時育児休業給付金は67%+13%上乗せ=80%、実質手取り約10割)
- お盆終わりに復帰という節目(業務リズム的に区切りが良い)
7日減らした分は、業務都合と「お盆明けに復帰したい」という個人的な区切りを優先しました。
「出生時育児休業」のみで「通常の育休」は取らなかった理由
| 制度 | 私の選択 | 理由 |
|---|---|---|
| 出生時育児休業(産後パパ育休) | 取得(21日) | 給付金80%、夫婦育児スタートに必要 |
| 通常の育児休業 | 取らず | 生活費の確保/2回休む心理的負担 |
通常の育児休業を取らなかった理由は2つ:
- 何度も休むことは気が引けた(職場との関係性を考慮)
- 生活費を稼ぐ必要があった(給付金は満額ではない)
ただし、育休を取らない代わりに「定時で帰る」運用に切り替え、平日の帰宅後に子どもとお風呂、現在(生後10ヶ月)は離乳食をあげるなど、育児への関わりを継続しています。
出生時育児休業の給付金額やタイミングについては別記事も参考にしてください:【約4ヶ月】男性育休給付金はいつ振り込まれる?2025年改正後に21日取得した人事部員9年目の入金実績とキャッシュフロー対策
社会保険料免除を活用する「月末テクニック」
月末を挟むと社会保険料が免除される
育休中の社会保険料は、「月末を含む月」については免除されます。これを意識して期間設計すると、手取りベースでさらに恩恵が大きくなります。
私の場合:7月後半+8月前半の2ヶ月分が免除対象
私の育休期間は7月中旬〜8月上旬の21日間。これは「7月末を挟んでいる」ため、7月の社会保険料が免除されました。
| 月 | 育休日数 | 月末を挟むか | 社会保険料 |
|---|---|---|---|
| 7月 | 月後半に約10日 | はい | 免除 |
| 8月 | 月前半に約10日 | いいえ | 通常通り徴収 |
7月分の社会保険料が免除されたことで、7月勤務分の給与の手取りが通常より多くなり、出産直後の出費(抱っこ紐・メリー・ベビーベッド等の初期費用)に対する家計のクッションになりました。
月末を意識した期間設計
「月末を挟むだけで社会保険料が免除される」ルールを知っていれば、期間設計を変えられます。
| 設計パターン | 期間 | 月末 | 社保免除 |
|---|---|---|---|
| パターンA | 7/15〜8/5(21日) | 7/31を挟む | 7月分免除 |
| パターンB | 8/1〜8/21(21日) | 8/31を挟まず | 免除なし |
| パターンC | 7/15〜8/31(48日) | 7/31+8/31 | 7月+8月免除 |
同じ「21日」でも、月末を挟むかどうかで手取りが変わります。期間が固定なら月末を挟む設計を意識すると有利です。
出産費用・初期費用の負担感については、持株会記事の中でも触れています:持株会を9年でやめた人事9年目の全記録|元本150万→120万・出世への影響・15%奨励金の真実
夫婦の事前準備:家族ミーティングシートの活用
取得前の夫婦の会話が成否を分ける
取得時期と期間が決まったら、次は「育休中に夫婦でどう動くか」を事前にすり合わせます。これが取得後の満足度を大きく左右します。
私の経験では、取得前に話し合っておけばよかった項目が後から出てきました:
- 朝・昼・夜の家事分担(食事の準備、洗濯、買い物)
- 育児の役割分担(授乳・おむつ替え・お風呂・寝かしつけ)
- お互いの休息時間(睡眠時間の確保、一人時間)
- 夫の業務関連の対応範囲(緊急時のメール返信など)
積水ハウスの家族ミーティングシートが便利
夫婦の事前会話を体系的に進めたい方には、積水ハウスが公開している「家族ミーティングシート」が便利です。
参考リンク:積水ハウス 家族ミーティングシート(PDF)
このシートで決められる項目(一例):
- 育休をいつ取得するか
- 取得期間中に夫婦でどのように家事や育児を分担するか
- 各役割の優先度
- お互いの希望・不安の共有
書き込み形式になっており、「言葉にしないと食い違う部分」を明文化できるのが大きな価値です。住宅会社が育休促進の文脈で公開しているもので、企業背景はあるものの、内容自体は普遍的に使えます。
人事9年目からのアドバイス:相談されたら一言で伝えること
ここからは人事側として、社員から育休取得の相談を受けた時に伝えていることです。
① 取得は強くお勧めします
赤ちゃんと一緒に過ごせる時間は人生で唯一です。ここで育児の自信を付けることができれば、育休明けも率先して育児に関わることができるようになります。
夫婦の育児スタンスの確立、役割分担、子どもとの触れ合い方や価値観の擦り合わせなど、「育休だからこそできること」がたくさんあります。
② ただし、一番大事なのは「妻の体調を気遣う」こと
正直、これが最重要です。
妻は出産と育児の心身ともに大変な時期で、いつもとは違う精神状態になりがちです。少し怒りっぽくなったり、感情の起伏が大きくなったりすることもあります。
これは個人の性格の問題ではなく、ホルモンバランスや極度の睡眠不足が原因です。夫としては「大らかに受け止める心構え」を持っておく必要があります。
③ 使える制度はフル活用する
- 出生時育児休業給付金(67%+13%上乗せ=80%)
- 社会保険料免除(月末を挟む期間)
- 出産育児一時金(直接支払制度)
- 会社の福利厚生(出産祝い金、育児支援金など)
「制度の存在を知らなかった」だけで損する金額は、トータルで数万円〜数十万円規模になります。
育休と関連する家計の話は別記事もご覧ください:【出産年に見落とした】夫向け『扶養の壁』完全ガイド|103/130/150/160万円の最新ルールと2025年改正を人事部員9年目が整理 / 育休中のふるさと納税は限度額がどう変わる?取得経験のある人事企画9年目が夫婦両方のケースで解説
取得後の生活への接続:「育休が終わったら終わり」ではない
平日の帰宅後の関わり方
育休が終わっても、育児は続きます。私は通常の育児休業は取得しなかった代わりに、平日の定時退社を業務調整で実現し、帰宅後に育児に積極的に関わるようにしています。
平日の関わり方(現在・生後10ヶ月):
- 帰宅後すぐに子どもとお風呂
- 食事後の離乳食の介助
- 寝かしつけ前の絵本読み聞かせ
「育休21日で完結」ではなく、「育休でつかんだ自信を、日々の関わりに活かす」のが本質です。
妻のキャリアと家庭のバランス
私が育休を取得し、平日の帰宅後も育児に関わっていることで、妻が職場復帰した後のキャリア継続もスムーズになる見込みです。
「夫が育休を取ること=妻のキャリアを守ること」につながる、というのが私の実感です。
まとめ:男性育休の取り方ステップ
最後に、本記事の要点をステップで整理します。
Step 1:妊娠初期に「取得する方向」を意識する
- 妻と「取得する/しない」のスタンスを早めに固める
- 漠然と意識しておくだけで、後の調整がスムーズになる
Step 2:妊娠8ヶ月頃に上司に相談
- 業務上の上司→組織上の上司の順
- 既存の面談に組み込んで自然に切り出す
- 業務調整の見通しを立ててから組織上の上司へ正式報告
Step 3:業務引き継ぎを進める
- 引き継ぎ資料:タスク一覧/対応時期/資料保管場所の3要素
- 説明会:3〜4回×1時間で対話形式
Step 4:取得タイミングと期間を決める
- 妻の実家から戻るタイミング、夫婦の状況に合わせて柔軟に
- 期間は給付金最大化+業務都合で決定
- 月末を挟む設計で社会保険料免除を獲得
Step 5:書類提出(育休開始の2週間前まで)
- 提出先:人事部門の勤怠系担当
- 出産後、妻の体調回復+役所手続きが終わってから準備
Step 6:夫婦で事前ミーティング
- 役割分担、希望・不安の共有
- 積水ハウス家族ミーティングシートなどのフォーマット活用
Step 7:取得後も日々の関わりを継続
- 育休21日で完結せず、平日の定時退社で育児に関わる
- 妻のキャリア継続にも貢献する
注:本記事の内容は2026年5月時点の制度と私の実体験に基づきます。男性育休制度は改正が続いているため、最新情報は次の参考サイトもご確認ください。
マネパパ
30代会社員・人事企画部門・JGCホルダー。従業員持株会を3年で停止し、インデックス投資(新NISA・iDeCo)に全面移行。 マイルで乳幼児連れリゾート旅行を実践中。数字とリアルにこだわった発信を心がけています。
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