マッチング拠出の上限撤廃で月2.2万円に増額|iDeCoに切り替えなかった理由は年2,232円の手数料と5分の手続き
2026年4月にマッチング拠出の「事業主掛金以下」の制限がなくなり、勤務先の規約も10月に対応しました。私は12月にiDeCoへ切り替える予定を取りやめ、2026年10月分からマッチング拠出を月5,000円から22,000円に増やしています。決め手は、iDeCoの手数料が年2,232円かかることと、社内の申請5分で済む手続きでした。iDeCoで元が取れる残高を「手数料÷信託報酬の差」で計算すると、DCに低コストの投資信託が入ったことで約113万円から約1,020万円に変わります。DB併用の会社で上限が上がらないケースも書きます。
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2026年10月分の掛金から、企業型DCのマッチング拠出を月5,000円から月22,000円に増やしました。12月にiDeCoへ切り替えるつもりでしたが、取りやめています。
私は人事企画部門に9年いて、勤務先の企業型DCとマッチング拠出の制度を担当しています。自分も企業型DCに9年加入し、マッチング拠出を8年以上続けてきました。
先に結論をまとめます。
- 2026年4月に、マッチング拠出の「本人の掛金は事業主掛金以下」という制限がなくなりました。勤務先の規約も10月に対応し、私の上限は月5,000円から月22,000円に上がりました
- iDeCoに切り替えなかった決め手は3つです。手続きが社内の申請5分で済むこと、口座管理の手数料を会社が払っていること、口座がDCの1つのままで済むこと
- iDeCoの手数料は年2,232円かかります(楽天証券・2026年12月分から)。iDeCoで元が取れる残高は「手数料÷信託報酬の差」で出せます。DCに低コストの投資信託が入ったことで、約113万円から約1,020万円に変わり、判断が逆になりました
- 税金は、月22,000円の掛金で年79,200円減ります(所得税20%+住民税10%の場合)。減るのは毎月の給与からです
- DB(確定給付企業年金)もある会社では、12月以降もDCの上限が27,500円のままのことがあります
あなたはどれ? — 読む場所を選べます
- ▶ 自分のマッチング拠出をいくらまで増やせるか知りたい → 上限撤廃と規約の確かめ方
- ▶ 勤務先にDB(確定給付)もある → DB併用の会社の上限
- ▶ マッチング拠出とiDeCoのどちらにするか迷っている → 手数料÷信託報酬の差で判断する
- ▶ 税金がいくら減るか知りたい → 年79,200円の内訳と減る時期
- ▶ 増やすならいつ手続きするか知りたい → 金額を変えられる時期
iDeCoには切り替えず、マッチング拠出を月22,000円に増やした
| 項目 | 2026年9月分まで | 2026年10月分から |
|---|---|---|
| マッチング拠出(本人) | 月5,000円 | 月22,000円 |
| 事業主掛金(会社) | 月5,500円 | 月5,500円 |
| 合計 | 月10,500円 | 月27,500円(勤務先の上限) |
| 本人の掛金(年間) | 60,000円 | 264,000円 |
10月分の掛金は、11月の給与から天引きされます。
▶ 私の答え
iDeCoにすれば、12月から月約4.6万円まで積み立てられました。それでも我が家の家計で出せるのは月2.2万円です。その額なら、手続きも手数料も軽いマッチング拠出で足ります。
2026年4月の上限撤廃で、事業主掛金を超えて出せるようになった
マッチング拠出は、会社の掛金(事業主掛金)に、本人の掛金を上乗せする仕組みです。これまでは本人の掛金は事業主掛金を超えてはならないという制限がありました。
私の事業主掛金は月5,500円です。勤務先の規約は1,000円単位なので、本人の上限は月5,000円でした。
この制限は、2026年4月1日に撤廃されています(厚生労働省)。事業主掛金の額にかかわらず、事業主掛金と本人の掛金の合計が拠出限度額に収まれば出せます。
ただし、実際に増やせるかは、勤務先の規約が改正に対応しているかで決まります。私の勤務先は2026年10月に対応しました。
勤務先が用意した本人の掛金の上限は月27,000円です。事業主掛金が人によって違うので、一人ひとりの上限は「限度額−自分の事業主掛金」になります。私は27,500円−5,500円で、月22,000円です。
▶ 私の答え
法律が変わっても、規約が対応するまでは増やせません。まず勤務先の人事・総務に、規約が4月の改正に対応したかを聞いてください。対応していれば、自分の上限は「限度額−自分の事業主掛金」で出せます。
DB(確定給付)もある会社は、12月以降も上限が27,500円のままのことがある
2026年12月1日から、企業型DCの拠出限度額は月5.5万円から月6.2万円に上がります(厚生労働省)。
ただし、DBも実施している会社には例外があります。2024年12月の改正のときの経過措置で旧制度を使っている会社は、従前どおり月2.75万円のままです(厚生労働省の事務連絡・参考資料)。
私の勤務先はDBも実施していて、この経過措置を使っています。だから12月以降も合計の上限は27,500円で、私の本人掛金の上限は22,000円のままです。
| 勤務先の企業年金 | 企業型DCの上限(2026年12月から) |
|---|---|
| 企業型DCだけ | 月6.2万円 |
| DBもある・経過措置で旧制度を使っている | 月2.75万円のまま |
| DBもある・経過措置を使っていない | 月6.2万円−DBの掛金相当額(他制度掛金相当額) |
▶ 私の答え
勤務先にDBもあるなら、12月に上限が上がるとは限りません。経過措置を使っているかを人事・総務に確かめてください。表の3行のどれに当たるかで、増やせる額が決まります。
12月の改正の全体像(iDeCoの上限・手続きの期限)は、改正記事で確認できます:▶ 2026年12月1日の改正で変わる3つのこと
iDeCoに切り替えなかった決め手は、手続き・手数料・口座の数の3つ
決め手は、大きい順に次の3つです。
決め手①:手続きが、社内の申請5分で済んだ
マッチング拠出を増やす手続きは、社内の申請だけで5分で終わりました。掛金は給与から天引きされます。
iDeCoに切り替える場合は、次の手間がかかります。
- 金融機関でiDeCoの口座を申し込み、審査を待つ(加入まで1〜2か月)
- 給与天引きにしない場合は、掛金を引き落とす銀行口座を自分で手配する
- マッチング拠出を止める申請を、別に会社へ出す
決め手②:口座管理の手数料を会社が払っている。iDeCoなら年2,232円
勤務先の企業型DCは、口座管理の手数料を会社が負担しています。iDeCoは自分で払います。楽天証券の場合、2026年12月分から月186円(国民年金基金連合会120円+信託銀行66円)、年2,232円です。
iDeCoで選ぶ投資信託の信託報酬がDCより低ければ、その差で手数料を取り戻せます。取り戻せる残高は、次の式で出せます。
iDeCoで元が取れる残高 = iDeCoの手数料(年2,232円)÷ 信託報酬の差| DCで選んでいた投資信託 | 信託報酬 | iDeCoで選ぶ予定だった楽天・プラス・S&P500(年0.077%)との差 | iDeCoで元が取れる残高 |
|---|---|---|---|
| 以前選んでいた投資信託 | 年0.275% | 0.198% | 約113万円 |
| たわらノーロード先進国株式(2026年10月から) | 年0.09889% | 0.02189% | 約1,020万円 |
約113万円なら、月22,000円の掛金だけで約4年で届きます。以前の商品のままなら、iDeCoを選ぶ理由がありました。
2026年10月に、勤務先のDCに信託報酬の低いたわらノーロード先進国株式が加わり、判断が逆になりました。約1,020万円は、掛金だけで積み上げると約39年かかります。
ここで比べているのはコストだけです。S&P500と先進国株式(MSCIコクサイ)は指数が違うので、将来のリターンの差は計算に入れていません。
なお、楽天証券のiDeCoでも、同じたわらノーロード先進国株式を選べます。同じ投資信託どうしなら、違いはiDeCoの手数料だけなので、DCのほうが年2,232円安くなります。
決め手③:口座がDCの1つのままで済む
企業型DCに積み立ててきた残高(約170万円・2026年5月時点)は、在職中はiDeCoに移せません。iDeCoを始めても、DCの口座は残ります。
マッチング拠出なら、確認する口座はDCの1つだけです。
▶ 私の答え
自分のDCの商品一覧で、選んでいる投資信託の信託報酬を見てください。iDeCoで選びたい商品との差で、年2,232円を割ると、iDeCoで元が取れる残高が出ます。同じ投資信託がDCにもあるなら、手数料を会社が払うDCが安くなります。
拠出額ごとの損益分岐点は、別の記事でも試算しています:▶ マッチング拠出とiDeCo、拠出額別の損益分岐点
iDeCoなら月約4.6万円まで積み立てられたが、家計で出せるのは月2.2万円
iDeCoに切り替えた場合、12月からの私の上限は月約4.6万円でした。企業年金がある会社員のiDeCoは、企業年金と合計して月6.2万円が上限です(厚生労働省)。私の場合は、6.2万円から事業主掛金5,500円と、DBの掛金相当額(概算で月約1万円)を引いた額です。
それでも、我が家が出せるのは月2.2万円でした。育児中で、新NISAの積立も続けているからです。
掛金は、家計簿アプリで見ている毎月の黒字から出せる範囲で決めました。
22,000円は、黒字ぎりぎりの額です。我が家は賞与も見込んでいるので、ここまで入れました。賞与を当てにしない家計なら、毎月の黒字に余りを残したほうが、急な出費に対応できます。
勤務先の規約では、マッチング拠出の停止と再開はいつでもでき、金額の変更は年1回です。家計が苦しくなったら、止めることはできます。
▶ 私の答え
上限の大きさではなく、毎月の黒字で決めました。人事として制度を担当する立場からも、家計に余裕がある範囲でできるだけ使ってほしいと考えています。ただし、その余裕は感覚ではなく、家計簿アプリなどで毎月の黒字として見えていることが前提です。
税金は年79,200円減る。減るのは毎月の給与から
マッチング拠出の掛金は、iDeCoと同じく全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になります。
我が家の年収は700〜800万円で、所得税20%+住民税10%です。
| 掛金 | 年間の掛金 | 減る税金(30%) |
|---|---|---|
| 月5,000円(9月分まで) | 60,000円 | 18,000円 |
| 月22,000円(10月分から) | 264,000円 | 79,200円 |
| 増えた分(月17,000円) | 204,000円 | 61,200円 |
税金が減る時期は、マッチング拠出とiDeCoで違います。
- マッチング拠出:給与から天引きされる時点で所得控除が反映され、毎月の給与の所得税が減ります。年末調整を待ちません。住民税は翌年度に下がります
- iDeCo(給与天引きにしない場合):年末調整で申告するか、確定申告で戻ります。私は毎年確定申告をしているので、iDeCoにしていたら戻るのは翌年の春でした
▶ 私の答え
減る税金の額はマッチング拠出もiDeCoも同じです。違うのは時期で、マッチング拠出は毎月の給与で減ります。
iDeCoのほうが合う人
我が家はマッチング拠出にしましたが、次に当てはまる人はiDeCoのほうが合います。
- 事業主掛金が大きく、マッチング拠出の枠が小さい人。たとえば上限が合計27,500円の会社で事業主掛金が20,000円なら、本人の掛金は月7,500円までです
- DCの投資信託の信託報酬が高い人。「手数料÷信託報酬の差」で出した残高が小さいほど、iDeCoで早く元が取れます。私の以前の商品なら約113万円でした
- 勤務先の規約が、4月の改正にまだ対応していない人。本人の掛金は事業主掛金以下のままです
iDeCoを始めるには、マッチング拠出を止める必要があります。
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iDeCoのほうが合うなら:松井証券
運営管理手数料は誰でも0円。投資信託の保有でポイントが還元され、オルカンは年0.0175%、S&P500は年0.0280%が戻ります(信託報酬の約3割に相当)。加入完了までは1〜2か月かかります。
松井証券のiDeCoを見る(口座開設は無料) →※ 投資信託などの金融商品は元本が保証されておらず、値動きによって損失が生じるおそれがあります。手数料やリスクは各社の公式サイトでご確認ください。
マッチング拠出とiDeCoは、12月以降も同時にはできない
マッチング拠出をしている人は、iDeCoに加入できません。どちらか一方を選ぶ仕組みです。
2026年12月の改正でiDeCoの上限は上がりますが、厚生労働省が示している改正の項目に、この併用を認めるものは含まれていません。
▶ 私の答え
12月以降も、マッチング拠出とiDeCoは選択制です。両方で積み増すことはできないので、どちらに寄せるかを決めてから手続きしてください。
金額の変更は年1回。12月から1年間は、1回だけ例外がある(勤務先による)
マッチング拠出の金額を変えられる回数は、年1回です。私の勤務先では、金額の変更と新しく始める手続きが毎年10月で、停止と再開はいつでもできます。時期は規約で決まるので、勤務先で確かめてください。
12月に企業型DCの上限が上がる会社には、例外があります。期間は2026年12月1日から2027年11月30日までです。上限が上がったことに合わせて本人の掛金を初めて増やす変更なら、年1回の変更とは別に1回できます。規約に定めがあることが条件です(厚生労働省の事務連絡・参考資料)。
私の勤務先は上限が27,500円のままなので、この例外は使いません。
▶ 私の答え
勤務先で金額を変えられる月を先に確かめてください。12月に上限が上がる会社なら、年1回の変更を使ったあとでも、1回だけ増やせる可能性があります。
まとめ
- 2026年4月に、マッチング拠出の「本人の掛金は事業主掛金以下」という制限がなくなった。増やせるかは勤務先の規約しだい(私の勤務先は10月に対応)
- 私は2026年10月分から、マッチング拠出を月5,000円から月22,000円に増やし、iDeCoへの切り替えは取りやめた
- 決め手は手続き5分・手数料は会社負担・口座がDCの1つのままの3つ
- iDeCoで元が取れる残高は「手数料年2,232円÷信託報酬の差」。DCに低コストの投資信託が入り、約113万円から約1,020万円に変わった
- 税金は年79,200円減る(税率30%の場合)。マッチング拠出は毎月の給与で減る
- DBもある会社は、経過措置で12月以降も上限が27,500円のままのことがある
- マッチング拠出とiDeCoは、12月以降も同時にはできない
よくある質問
マッチング拠出は、事業主掛金より多く出せますか?
2026年4月1日から、法律上は出せます。「本人の掛金は事業主掛金以下」という制限が撤廃されたためです。ただし、勤務先の規約が改正に対応していることが条件です。
自分のマッチング拠出の上限は、どう計算しますか?
「企業型DCの拠出限度額−自分の事業主掛金」です。私の場合は27,500円−5,500円で月22,000円でした。規約で金額の刻み(1,000円単位など)が決まっていれば、その範囲で端数を切り下げます。
DB(確定給付企業年金)もある会社の上限はいくらですか?
2024年12月の改正の経過措置で旧制度を使っている会社は、月2.75万円です。2026年12月以降も変わりません。経過措置を使っていない会社は、2026年12月から「月6.2万円−DBの掛金相当額(他制度掛金相当額)」になります。どちらに当たるかは、勤務先の人事・総務で確かめてください。
2026年12月に上限が上がったら、年1回の変更とは別に増やせますか?
上限が上がる会社で、規約に定めがあれば増やせます。2026年12月1日から2027年11月30日までの間、上限の引き上げに合わせて初めて増やす変更は、年1回の変更とは別に1回できます。
マッチング拠出とiDeCoは、両方できますか?
できません。マッチング拠出をしている人はiDeCoに加入できず、どちらかを選ぶ仕組みです。2026年12月の改正でも、この併用を認める項目は示されていません。
iDeCoの口座管理の手数料はいくらですか?
楽天証券の場合、2026年12月分から月186円(国民年金基金連合会120円+信託銀行66円)、年2,232円です。運営管理の手数料を取る金融機関では、さらに加わります。
DCとiDeCoに同じ投資信託がある場合、どちらが安いですか?
勤務先がDCの口座管理の手数料を負担しているなら、DCのほうが安くなります。信託報酬が同じなので、違いはiDeCoの手数料(楽天証券なら年2,232円)だけです。
マッチング拠出の税金は、いつ減りますか?
毎月の給与です。給与から天引きされる時点で所得控除が反映され、所得税が減ります。住民税は翌年度に下がります。iDeCoを給与天引きにしない場合は、年末調整か確定申告で戻ります。
注:本記事は2026年10月時点の制度と、我が家の勤務先の規約に基づきます。マッチング拠出の上限・金額の刻み・変更できる時期は、勤務先の規約によって違います。手数料と信託報酬は変わる場合があります(信託報酬は各運用会社の交付目論見書・2026年7月時点)。 公式情報はこちら:厚生労働省「2025年の制度改正」/企業型DCの拠出限度額引上げに係る参考資料(令和8年7月13日事務連絡)/楽天証券 iDeCoの手数料
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マネパパ
30代会社員・人事企画部門・JGCホルダー。従業員持株会を入社9年目に停止し、インデックス投資(新NISA・iDeCo)に全面移行。 マイルで乳幼児連れリゾート旅行を実践中。数字とリアルにこだわった発信を心がけています。
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