【内定取って辞退】人事企画9年目が選ぶ転職エージェント3社|マイナビ半年活動の実体験
転職エージェントは結局どこに登録すべき?人事企画9年目(採用面接・グループディスカッション・新卒/中途採用広報を担当)が、マイナビエージェントで半年活動し電子部品メーカーから内定を取って辞退した実体験を公開。みなし残業30時間込みの罠、年収700〜800万円帯の判断軸、リクルートエージェント・JAC Recruitment・リクルートダイレクトスカウトの3社使い分けを採用側と応募者側の両視点で正直に解説します。
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「転職エージェント、結局どこに登録するのが正解?」
人事企画9年目として、新卒採用の面接・グループディスカッションを担当し、採用広報(会社説明会・転職イベント)も経験してきた私自身が、半年間にわたって本気で答えを探した問いです。
そして私は、マイナビエージェントで半年間活動し、電子部品の製造業から1社内定を取得しました。
ところが、私はこの内定を辞退しました。理由は、みなし残業30時間込みの年収700〜800万円帯で、現職とほぼ同水準。実際に月30時間残業した場合、現職の方が手取りで上回る計算だったためです。
この記事では、
- 採用面接を担当する人事側として見てきた「採用される人/されない人」のリアル
- マイナビエージェントで半年活動した実体験(紹介求人の質・面談で良かった点/期待と違った点・内定までの流れ)
- 電子部品メーカーからの内定を辞退した判断プロセス(みなし残業30時間込みの罠)
- 30代会社員に推奨する3社使い分け:リクルートエージェント/JAC Recruitment/リクルートダイレクトスカウト
- 採用側から見て「使ってはいけないエージェント」の特徴
- 転職する/しないの最終判断5チェックポイント
を、採用側と応募者側の両方を経験した人事企画9年目の視点で正直に解説します。
📌 本記事の立ち位置
私自身が応募者として使ったのはマイナビエージェント(半年活動)のみです。本記事で推奨するリクルートエージェント/JAC Recruitment/リクルートダイレクトスカウトの3社は、人事として採用市場・候補者・各エージェント担当者の動きを見てきた経験からの推奨です。応募者としての利用実体験ではない点を明示します。
転職活動の前に「自分の現在地」を数値化する
転職を検討する前に、まずやるべきは「現職の本当の価値を数値化すること」です。
年収だけ見て判断しない(みなし残業の罠)
会社員が転職で陥る最大の罠が、「年収の額面比較」だけで判断してしまうことです。
転職の求人票には「年収700万円〜800万円」と書かれていても、その内訳は会社によって全く違います。
- 基本給+諸手当だけで700万円
- 基本給+諸手当+「みなし残業30時間込み」で700万円
- 基本給+諸手当+業績連動賞与(変動)で700万円見込み
これらは実質的に全く別物です。特に「みなし残業(固定残業手当)」は、求人票で見落としやすい落とし穴です。
私のケース:内定企業 vs 現職の実質比較
私の場合、内定先(電子部品の製造業)から提示された条件は次のとおりでした。
- 想定年収:700万円〜800万円
- ただしみなし残業手当(月30時間分)込み
- 業務内容:人事関連職
一方、私の現職(同社で9年勤務)の年収帯は700〜800万円。直近の月給は40万円程度で、残業時間は月10〜15時間程度です。
ここで電卓を叩いて気づきました。
- 内定先:「みなし30時間」が含まれている=実際に30時間残業しても追加支給はゼロ
- 現職:残業ゼロでも基本給は同水準=実残業した分が追加で支給される
つまり、同じ700〜800万円でも、内定先は「30時間残業前提」、現職は「30時間残業すれば手取りが上がる」という構造でした。
「実際に月30時間残業したらどちらが得か」のシミュレーション
仮に新しい職場で本当に月30時間残業した場合:
- 内定先:年収700〜800万円(30時間込みなので追加なし)
- 現職:年収700〜800万円+30時間残業手当(年間約60〜80万円相当)
現職で実際に月30時間残業すれば、年間60〜80万円のプラスになる計算です。これが内定辞退の最大の根拠でした。
この比較は転職検討者全員がやるべき
転職を考えている方には、まず以下の表を埋めてみることをおすすめします。
| 項目 | 現職 | 内定先(または希望条件) |
|---|---|---|
| 基本給(月) | ◯◯万円 | ◯◯万円 |
| 諸手当(家族・住宅・通勤) | ◯◯万円 | ◯◯万円 |
| 賞与(年) | ◯◯万円 | ◯◯万円 |
| みなし残業の有無・時間 | あり/なし、◯時間 | あり/なし、◯時間 |
| 実際の月残業時間 | ◯時間 | 想定◯時間 |
| 退職金制度 | あり/なし、内容 | あり/なし、内容 |
| 福利厚生(持株会・DC等) | 内容 | 内容 |
| 通勤時間 | ◯分 | ◯分 |
この表を埋めてから初めて、「転職する/しない」の判断ができる状態になります。
人事企画として見てきた「採用される人/されない人」
ここからは採用側の視点です。新卒採用の面接・グループディスカッション・採用広報(会社説明会・転職イベント)を担当してきた経験から、「採用される人」と「されない人」の決定的な違いを共有します。
書類選考で通過する人の共通点
書類選考は、応募から採用までの最初のフィルターです。私が見てきた書類選考通過者には、明確な共通点があります。
- 職務経歴書が「実績ベース」で書かれている(「◯◯を担当」ではなく「◯◯で売上△△円を達成」など)
- 自己PRが応募職種と直結している(汎用テンプレでなく、その求人に向けた書き方)
- 志望動機が会社研究ベース(「貴社の◯◯事業で…」と具体)
逆に、書類選考で落ちる人の特徴:
- 経歴の羅列のみ(実績数値がない)
- 自己PRが「自分の長所列挙」で終わっている
- 志望動機が「成長したい」「貢献したい」など抽象的
面接で「採用したい」と思う人のパターン
面接で人事が「この人を採用したい」と感じる瞬間は、次のような場面です。
- 質問の意図を捉えた回答ができる(聞いたことに正確に答える)
- 自分の経験を「再現可能性」で語れる(「あれは運でした」ではなく「こういう型でやりました」)
- 「会社の課題」に踏み込む質問を返してくる(受け身でなく対話)
- 失敗談を「学び」とセットで語れる(隠さず、教訓を言語化している)
採用される人の決定打:「どう貢献できるか」を数字で語れる
書類でも面接でも、評価が分かれる最大の決定打は1つだと考えています。それは、自分の経験に紐づけて「入社後にこの会社へどう貢献できるか」を具体的な数字で語れるかです。
人事として多くの候補者を見てきましたが、本当に強いのは過去の経歴を並べる人ではなく、自分の経験を「入社後の貢献」に翻訳できる人でした。たとえば、
- 「前職の採用広報の経験を活かして、御社の応募単価を○○%下げられる」
- 「業務フロー改善の実績を踏まえ、御社でも年間○○万円分の工数を削減できる」
- 「○○の経験から、御社の△△事業の売上を年□□万円引き上げる施策を提案できる」
というように、売上・シェア・コストといった数字で「自分ができること」を語れる人は、それだけで採用側の評価が一段も二段も上がります。
逆に「貢献したい」「成長したい」という意欲だけでは弱いのが正直なところ。意欲ではなく、経験に裏打ちされた「貢献の具体策と数字」まで踏み込めるかどうかが、新卒・中途を問わず採用される人の共通点です。
エージェント経由で来る候補者の特徴
エージェント経由で来る候補者は、自分で応募する人と比べて次の傾向があります。
- 書類の整い方が圧倒的に良い(エージェントが添削しているため)
- 面接対策がされている(典型的な質問への準備)
- 一方で、「志望動機の独自性」が弱いケースもある(テンプレ的になりがち)
人事側としては、エージェント経由の候補者は「最低限のクオリティが担保されている」安心感がありますが、「この人ならではの志望理由」が見えると採用判断が一段階上がります。
「自分で応募する人」と「エージェント経由」で評価が変わるケース
業種・ポジションによって変わりますが、私の経験では:
- 専門職(IT・財務・法務など):自分で応募してくる人の方が「この職種への熱量」が伝わりやすい
- 管理職・ハイクラス:エージェント経由の方が市場価値の客観評価がついている
- 未経験職種への挑戦:エージェントの推薦理由がプラスに働きやすい
つまり、「エージェント経由が常に有利」ではないということです。状況に応じた使い分けが必要です。
転職エージェントの3つのタイプを理解する
転職エージェントは、機能で大きく3タイプに分かれます。これを理解しないまま登録すると、自分に合わないエージェントから合わない求人ばかり紹介される事態になります。
①総合型(リクルートエージェント・doda・マイナビエージェント)
特徴:求人量が圧倒的。年収300〜800万円帯まで幅広くカバー。担当キャリアアドバイザーがついて、書類添削・面接対策・条件交渉までサポート。
向いている人:
- 初めての転職で、まず求人量を見たい
- 業種・職種の選択肢を広げて検討したい
- 一通りのサポートを受けたい
注意点:
- 担当者の質に当たり外れがある
- 量が多すぎて選別が大変
- 「書類選考で通過しやすい求人」を優先される傾向
②ハイクラス型(JAC Recruitment・リクルートダイレクトスカウト・ビズリーチ)
特徴:年収500万円以上、特に700万円超のポジションに特化。担当コンサルタントが企業側との折衝も深く、年収交渉力が強い。
向いている人:
- 現年収500万円超で、市場価値を測りたい
- 専門性を活かしたキャリアアップ転職
- 外資系・グローバル企業も視野
注意点:
- 求人数は総合型より少ない
- 一定の経験・スキルがないと紹介が来ない
- 年収帯が合わないと放置されるケースも
③スカウト型(リクルートダイレクトスカウト・ビズリーチ)
特徴:自分でレジュメ(職務経歴)を登録すると、企業やヘッドハンターからスカウトが届く。能動的に応募する必要がない。
向いている人:
- いきなり活動するのは抵抗があるが、市場価値は知りたい
- 受け身で良い案件を探したい
- 在職中で多忙な方
注意点:
- レジュメの質でスカウト数が大きく変わる
- 玉石混淆のスカウトを選別する目が必要
- 「とりあえずスカウト」も多いので返信は厳選
30代会社員に推奨する3社使い分け
ここが本記事の核です。1社に絞るより、3社を目的別に使い分けるのが、30代会社員にとって最も効率的です。
核となる1社:リクルートエージェント
業界最大手の総合型。求人量・サポート体制・実績すべてのバランスが取れた「まず登録する1社」です。
こういう方に向く:
- 初めての転職で、まず幅広く求人を見たい
- 書類添削・面接対策の基本的なサポートが欲しい
- 担当者経由で複数社に並行応募したい
使い方のコツ:
- 担当者と早めに信頼関係を作る
- 紹介求人を即決せず、現職と比較する時間を取る
- 紹介数が多すぎると感じたら、希望条件を絞り直す
→ 公式:リクルートエージェント
スカウト型1社:リクルートダイレクトスカウト
「在職中に動かず、まず市場価値を測る」のに最適なツールです。レジュメを登録するだけで、企業側・ヘッドハンターからスカウトが届きます。
こういう方に向く:
- 転職するか迷っているが、自分の市場価値を客観的に知りたい
- 多忙で能動的に応募する時間がない
- 年収600万円以上で、ヘッドハンター経由のオファーも見たい
使い方のコツ:
- レジュメは実績ベースで書く(数値・具体)
- スカウトの質は玉石混淆。返信は厳選
- 同時並行でビズリーチも併用すると、市場の見え方が立体的に
→ 公式:リクルートダイレクトスカウト
ハイクラス1社:JAC Recruitment
年収500〜2,000万円帯のハイクラスに特化したエージェント。**両面型(同じコンサルタントが企業側と候補者側の両方を担当)**で、企業側の事情に詳しいことが強みです。
こういう方に向く:
- 現年収500万円超
- 専門性(管理部門・IT・コンサル・外資系)を活かしたい
- 年収交渉を強くしてほしい
使い方のコツ:
- 担当コンサルタントとの初回面談を充実させる(何を求めているか明確に伝える)
- 紹介求人の数より「マッチ度」で評価する
- ハイクラス特化なので、紹介数は総合型より少ないが質が高い
→ 公式:JAC Recruitment
3社使い分けの全体像
| エージェント | 役割 | 期待値 |
|---|---|---|
| リクルートエージェント | 求人量で市場を俯瞰 | 幅広い選択肢の確認 |
| リクルートダイレクトスカウト | 市場価値の客観測定 | 受け身で情報収集 |
| JAC Recruitment | ハイクラス求人と年収交渉 | 質の高い案件と高単価 |
3社を併用することで、「網羅性(リクルート)」「客観性(ダイレクトスカウト)」「専門性(JAC)」の3軸が揃います。
実体験:マイナビエージェントで半年活動した記録
ここからは、私が実際にマイナビエージェントで半年活動した記録です。良かった点、期待と少し違った点、内定までの流れ、辞退に至った判断を時系列で共有します。
登録から初回面談までの流れ
私が登録したのは、現職入社から7年目の頃。「市場価値を測ってみたい」という動機でした。
- Web登録(職務経歴を簡易記入)
- 数日後、登録したメールアドレスに担当者からメール
- 電話で初回面談の日程調整
- 初回面談も電話(約45分程度)
- 翌週から求人紹介が始まる
登録から本格的な動き出しまで、実質1〜2週間。スピード感は問題ありませんでした。
紹介された求人の傾向
紹介された求人は、私の経験(人事企画)にマッチした事業会社の人事関連職が中心でした。
- 業種:製造業(電子部品・機械系)、IT、サービス業
- 年収帯:600万〜850万円
- 勤務地:関東圏
数としては半年で20〜30件程度の紹介がありました。マイナビエージェントは「求人量で勝負する」というより、担当者が厳選して送ってくるスタイルです。
エージェントとのやり取りで気づいたこと
担当者は丁寧で、全体としては満足度の高い対応でした。良かった点と、少し期待と違った点を正直に共有します。
良かった点:
- 求人説明が詳細:業務内容・組織体制・社風だけでなく、同じ会社の他職種の求人情報も踏まえて、その会社がどんなことに力を入れようとしているのか(事業の方向性)まで説明してくれました。
- 面接後のフォローが早い:面接後は即日〜3日以内に所感をヒアリングしてくれ、結果が出次第「次はどこをどう伝えると良いか」という改善点や、「この会社は安定志向で現職とあまり変わらない印象だから、むしろこういう会社の方が合うのでは」といった適性の分析まで返してくれました。
少し期待と違った点:
- 書類添削は期待ほどではなかった:職務経歴書の添削で改善点が見えてくることを期待していたのですが、ほぼそのまま受け入れられ、具体的な改善提案は多くありませんでした(元の完成度が高かったとも言えますが、第三者視点での指摘が欲しかったのが本音です)。
- 「時間単価」への希望は反映されにくかった:私の希望は時間単価を上げること——つまり年収を上げる、もしくは所定労働時間や通勤時間を短くして同程度の年収にする——でした。ですが、そこはあまり考慮されず、「裁量が大きくなるから」とベンチャー企業寄りの求人も紹介されました(選択肢として悪くはないものの、時間単価が上がるとは限りません。もちろん大手企業の求人紹介もありました)。
人事として採用に関わってきた立場で見ると、エージェントの報酬は企業側からの成功報酬のため、構造上どうしても「決まりやすい求人」「裁量で語れる求人」に寄りやすい面があります。だからこそ、「年収」だけでなく「時間単価」で考えたいという軸は、応募者側から明確に、何度でも伝えないと反映されにくい——これが半年活動して得た実感です。
1社内定までの具体的なステップ
最終的に内定を取った企業(電子部品の製造業)までの流れ:
- エージェントから求人紹介
- 書類提出(職務経歴書・履歴書)→ 通過
- 一次面接(人事部長)→ 通過
- 二次面接(配属部署マネージャー+人事)→ 通過
- 最終面接(役員)→ 通過
- 内定通知+条件提示
応募から内定まで約2ヶ月。エージェント経由のスピード感としては平均的でした。
内定辞退の判断(みなし残業30時間込みの罠)
内定通知を受け取ったとき、私は冷静に条件を分析しました。
- 想定年収:700〜800万円
- 内訳:基本給+諸手当+みなし残業30時間込み
- 退職金制度:内定先にもあり(ただし金額条件は現職の方がやや有利)
- 通勤時間:現職と同程度
ここで気づいたのが、「みなし残業30時間込み」の意味でした。
人事として給与制度の設計にも関わっていた立場で見ると、これは「30時間まで残業しても追加給与は出ない」という意味です。
私が現職で月10〜15時間程度の残業で年収700〜800万円帯なのに対し、内定先は「30時間まで残業して同水準」。実質的には条件ダウンです。
加えて、現職で実際に月30時間残業すれば、追加で年間60〜80万円の残業手当が発生する計算でした。
辞退の連絡と、現在まで
エージェント担当者には、辞退理由を正直に伝えました。
- みなし残業30時間込みで、実残業時間を考慮すると現職の方が有利
- 業務内容は魅力的だが、条件面で見送る判断
担当者は引き止めることなく、「ご判断、ありがとうございます」と受け入れてくれました。内定後の辞退は、エージェントにとって損失の大きい結果ですが、丁寧な対応をしてくれたのは印象的でした。
辞退後、私は現職で続けて2年が経ちました。その後男性育休も取得し、家族の状況に合わせた働き方ができています。「内定取って辞退する」も立派な選択肢の一つだと、いま改めて感じています。
採用側から見た「使ってはいけないエージェント」の特徴
人事として、エージェント経由で来る候補者を見てきた経験から、「使ってはいけないエージェント」の特徴を4つ挙げます。
強引に応募を勧めるエージェント
「とりあえず応募しましょう」「数を打って通過率を上げましょう」と、応募数を稼ぐためだけに動くエージェントです。
候補者の希望に合わない求人でも応募させようとするため、書類選考で落ちる経験を重ねて自信を失う結果になりがちです。
候補者の意思を無視したマッチング
候補者の希望条件を無視して、「企業側のニーズに合う候補者」を機械的にマッチングするエージェント。これはエージェントのインセンティブ構造(成功報酬は企業から)に起因する構造的な問題です。
内定後のフォローが弱い
内定が出た瞬間に対応が雑になるエージェントは要注意です。条件交渉・入社日調整・現職退職のサポートこそ、エージェントの真価が問われる場面です。
「人事として、こういうエージェントから来る人は印象が悪い」
採用側の本音を共有すると:
- 候補者本人が応募先企業のことをよく知らない(エージェントが説明していない)
- 志望動機がテンプレ的で、その会社ならではの理由がない
- 連絡対応が遅い(エージェントが間に挟まりすぎている)
このようなケースは、「エージェントとの相性が悪い」サインです。担当者を変えてもらうか、別エージェントに乗り換えるべきタイミングです。
エージェントを使うべきタイミング・使うべきでないタイミング
使うべきタイミング
- 市場価値を客観的に測りたい(スカウト型がおすすめ)
- 転職意思が固まり、本格的に求人を見たい(総合型)
- 専門性を活かした年収アップを狙う(ハイクラス型)
- 在職中で応募作業に時間を割きたくない
使うべきでないタイミング
- 転職目的が曖昧で「なんとなく」段階
- 年収・役職・勤務地など希望条件が定まっていない
- 現職への不満が一時的(人間関係の一時トラブル等)
「とりあえず登録」がアリな理由とナシな理由
アリ:
- 市場の温度感を知るだけでも価値がある
- レジュメ作成プロセスで自分のキャリアを言語化できる
- スカウト型は登録するだけで情報収集になる
ナシ:
- 担当者から連絡が来始めると断りにくい
- 求人紹介が次々来て、判断疲れする
- 「応募しなければ申し訳ない」という心理が働く
私のおすすめは、「スカウト型1社(受け身で情報収集)」から始めて、本格的に動く判断ができたら総合型・ハイクラス型に展開することです。
エージェント面談を最大化する5つのコツ
コツ①:事前に職務経歴書を作り込む
担当者がついてから添削してもらう前に、自分なりに「実績ベース」で職務経歴書を書くこと。これがあるかないかで、初回面談の深さが全く違います。
コツ②:希望条件を「優先順位3つ」に絞る
すべての希望を並べると、エージェントは「どこを優先すべきか分からない」状態になります。年収・職種・勤務地・働き方の4軸から、優先順位の高い3つに絞るのが効果的です。
コツ③:エージェントに本音を伝える勇気
「現職の不満」「転職に踏み切れない理由」「家庭事情」など、表面的にはマイナスに見える情報も、率直に伝えた方が良いマッチングにつながります。
コツ④:紹介求人を即決しない(現職と冷静に比較)
「内定が出ました!」と言われた瞬間に決めるのは危険です。前述の「現職 vs 内定先の実質比較表」を必ず作成してから判断してください。
コツ⑤:辞退する勇気(私のケース)
私のように、内定を取っても辞退する選択肢は常に持っておくべきです。辞退はエージェントにとって損失でも、自分の人生にとっては正しい判断であるケースは多々あります。
転職する/しないの最終判断:5つのチェックポイント
①年収(額面ではなく実質手取り)
- 額面年収ではなく、社会保険料・税金控除後の手取りを計算
- みなし残業の有無・時間を確認
- 賞与の固定/変動の比率を確認
- 転職初年度の賞与がどの程度支給されるかを確認(初年度は満額支給されないことが多い)。支給されない場合は2年目以降にどこまで増額されるかも必ず確認する
②みなし残業・固定残業手当の含み
- 求人票の年収にみなし残業が含まれているか
- 含まれている場合、何時間分か
- 自分の現実的な残業時間との比較
③福利厚生(家族手当・住宅手当・退職金)
- 家族手当(配偶者・子)の有無と金額
- 住宅手当・住宅補助の有無
- 退職金制度(DB/DC/なし)の確認
- 持株会・ストックオプションの有無
④通勤・働き方(時短可・フレックス・リモート)
- 通勤時間の差
- フレックスタイム制の有無
- リモートワーク可能日数
- 育休・介護休業の取得実績
⑤キャリアパスの明確さ
- 入社後3年・5年でのポジション目安
- 昇進・昇格の基準
- 異動・出向の頻度
- 社内研修・教育制度
これら5項目を埋めて、現職と並べてみると、転職する/しないが見えてきます。
転職判断と家計設計はセット
転職前後では、家計に影響する要素が連動して変わります。
転職前後で変わるNISA・iDeCo
- 企業型DCがある会社→ない会社:iDeCoへの切替が必要
- マッチング拠出加入中→転職:在職中の停止が必要
- 給与天引きで自動積立されていたNISAの再設定
関連記事:マッチング拠出 vs iDeCo|2026年12月改正で拠出上限11倍に拡大、制度を設計した人事部員9年目が損益分岐点を試算
扶養の壁との関連(夫の年収変動)
- 転職で年収が変わると、配偶者控除の判定にも影響
- 一時的な無職期間がある場合、配偶者を扶養に入れる選択肢
関連記事:【出産年に見落とした】夫向け『扶養の壁』完全ガイド|103/130/150/160万円の最新ルールと2025年改正を人事部員9年目が整理
転職タイミングと育休・出産の関連
- 転職直後に育休取得は可能だが、給付金額の計算で注意が必要
- 転職前12ヶ月以上の被保険者期間が育休給付の前提
関連記事:【実額26万円】男性育休21日で手取り約10割は本当か?2025年改正後に人事部員9年目が取得した実体験と3つの盲点
まとめ:内定を辞退した人事企画9年目の結論
最後に本記事の要点を整理します。
転職活動の基本姿勢
- 年収の額面ではなく実質手取りで比較
- みなし残業の有無・時間を必ず確認
- 現職と内定先を5項目で並べる習慣を持つ
エージェントは3社使い分け
- リクルートエージェント(求人量・網羅性)
- リクルートダイレクトスカウト(市場価値の客観測定)
- JAC Recruitment(ハイクラス・年収交渉力)
内定を取って辞退するも立派な選択
- 私自身、電子部品メーカーから年収700〜800万円帯の内定を取得→辞退
- みなし残業30時間込みの罠を見抜き、現職継続を選択
- 辞退後2年経ち、男性育休取得など家族に合った働き方ができている
人事側として伝えたいこと
- エージェントは「使ってはいけないタイプ」もある(強引・希望無視・フォロー弱い)
- 自分で職務経歴書を作り込む準備が、最終的な交渉力につながる
- 「市場価値を測る」目的なら、まずスカウト型1社の登録だけで十分
転職は人生の大きな分岐点。本記事が、あなたの判断を後押しする材料になれば幸いです。
注:本記事は2026年5月時点の情報・筆者の実体験に基づきます。各エージェントのサービス内容や報酬体系は変更される可能性があるため、登録前には公式サイトで最新情報をご確認ください。
マネパパ
30代会社員・人事企画部門・JGCホルダー。従業員持株会を3年で停止し、インデックス投資(新NISA・iDeCo)に全面移行。 マイルで乳幼児連れリゾート旅行を実践中。数字とリアルにこだわった発信を心がけています。
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